スマートサーバールーム監視
環境・電源・運用を一つの画面で把握
ラック吸気温度、漏水、空調、UPS、配電、扉の状態を一元化します。異常時には発生場所、現在の状態、対応履歴を当直者が確認できます。

本設計は「ラックへの吸気は適切か」「電源と冷却は正常か」「どこに担当者の現地対応が必要か」という三つの問いから出発します。現場センサーと既設機器のインターフェースからデータを取得し、ローカル基盤で収集・傾向記録・警報振り分けを行います。確認と処置は当直手順に従います。点位、しきい値、接続仕様は現地調査で確定します。
ラック6台のサーバールームを想定した構成例
配電盤1面、ラックPDU 6回路、サーバールーム扉1枚も想定します。ラック前面の吸気温度は各ラック上・下1点ずつ、計12点。漏水は空調機2台の周辺と低所・配管のリスク箇所2点、計4か所です。既設の空調、UPS、PDU、消防設備は監視対象であり、読み取れる情報は機器のインターフェースと権限に依存します。
01 · サーバールームの状態を一画面で把握
環境、電源、出入の状態を場所別に整理します。ローカル基盤は傾向とイベントを保存し、各担当画面には必要な情報だけを表示します。
02 · 日常巡回に沿って監視を構成
監視画面で場所を選び、機器と履歴へ進みます。機器ごとの確認や問い合わせの繰り返しを減らします。
ラック吸気
ラック前面で吸気の上部・下部温度と変化を確認し、単一ラックや局所的な高温域を見つけます。
空調運転
空調機2台の運転、故障、通信状態をまとめます。取得項目は機器のインターフェースに依存します。
UPSと配電
取得可能な入力・出力、負荷、バイパス、電池の状態を電源経路と関連付けて確認します。
漏水と出入
漏水・扉の状態を具体的な点位に対応させ、現地確認の必要性と巡回順序を判断します。
温湿度は部屋中央の平均値だけでなく、IT機器の吸気位置で監視します。しきい値は機器の環境条件、コールドアイル設計、運転基準に基づいて設定します。設計上の参考として ASHRAE データセンター施設の章。
03 · 警報発生から完了までを記録
測定値の異常と通信障害を区別します。まず点位を特定し、現場で確認してから対応結果を記録します。

機器状態が発火
電源点位を表示
従って振り分け
処置を実施
対応内容を保存
例えばラック上部の吸気温度が設定値を継続して超えた場合、ラック番号と時刻を示し、同じコールドアイルの他点位と空調状態も確認します。当直者はセンサー、気流、IT負荷を調べ、原因を記録します。温度復旧後も対応履歴は残ります。ネットワーク断やセンサー停止は別の警報として扱い、欠測を正常と誤認しません。
04 · 異常の種類に応じて担当へ通知
警報名、位置、重大度、受信者、操作履歴を一緒に設定し、重複通知や見落としを減らします。
環境・漏水
吸気温度の逸脱、コールドアイル湿度の異常、空調周辺の漏水では、点位、傾向、最終更新時刻を表示します。漏水は設備当直への通知を優先します。
電源・機器停止
配電、UPS、空調からの故障は発信元と状態を表示します。通信断は別イベントとして通知します。制御連動は機器能力と権限を別途確認します。
基本構成は監視、記録、通知が中心です。電源保護、火災警報、非常停止、精密空調制御は既設機器と専用システムが担います。本基盤から自動で電源遮断や消防動作は行いません。
05 · 一つのデータを四つの役割で活用
各担当者には判断と対応に必要な情報を表示し、管理者は警報と巡回結果を振り返れます。
当直担当
現在の警報、部屋の状態、未完了事項を一覧し、速やかに確認・通知します。
設備担当
空調、配電、UPS、漏水を確認し、修理と復旧を記録します。
IT運用担当
ラック別に吸気温度と関連状態を見て、IT負荷と合わせて調査します。
管理担当
傾向、警報対応履歴、繰り返す未解決事項を確認します。
06 · 機器一覧:型番と数量の根拠を明示
HAIOTS製品の型番は提供された機器一覧に基づきます。既設機器や一覧に型番のない部材は型番欄を空欄にします。数量はラック6台の部屋を想定した概算です。
基盤・当直端末
| 製品名 | 型番 | 数量 | 用途・選定理由 |
|---|---|---|---|
| 業務用スマートコントローラー | HA01 | 1台 | データ接続とルール実行のローカル中核として、点位、傾向、警報を一元管理します。 |
| 集中管理プラットフォーム | HMS | 1式 | 一覧ではHA01にHMSが付属します。既存ライセンスを確認し、重複購入を避けます。 |
| 10.36インチ磁着式Androidタブレット | H1036 | 1台 | 当直室で部屋全体と未処理警報を表示します。詳細管理にはPCを使用できます。 |
| タブレット取付・給電部材 | 1式 | 卓上または壁面設置に合わせて選び、現地の給電方法を確認します。 |
温湿度・漏水・扉の状態
| 製品名 | 型番 | 数量 | 用途・選定理由 |
|---|---|---|---|
| 8チャネルNTC10K温度入力モジュール | HA-NTC108 | 2台 | ラック吸気12点に8チャネル品を2台使い、4チャネルを余裕として残します。配線距離と配置を確認します。 |
| NTC10K温度プローブ | 12本 | ラック6台の前面に上・下各1本。IT機器への吸気温度を測り、モジュールとの電気仕様を合わせます。 | |
| 照度・露点・温湿度センサー | HA AIR04 | 2台 | コールドアイル2か所、または代表的な2区域に各1台を設置し、環境と湿度の傾向を記録します。 |
| 漏水プローブ・検知ケーブル | 4式 | 精密空調機2台の周辺に各1点、低所や配管リスク箇所に各1点。排水・配管状況で調整します。 | |
| マグネット式扉センサー | 7式 | ラック扉6枚と部屋扉1枚を個別に記録します。入退室管理の代わりにはなりません。 | |
| 1チャネル無電圧接点入力モジュール | HA DI01 | 11個 | 漏水4点と扉7点に各1個。モジュールとセンサーは別々に数えます。 |
電源・既設機器接続
| 製品名 | 型番 | 数量 | 用途・選定理由 |
|---|---|---|---|
| スマート三相電力量計 | HA-EM02 | 暫定1台 | 配電盤の三相回路1系統の電気量を監視します。回路、変流器、結線を電気図面で確認します。 |
| RS485/RS232ネットワークシリアル変換器 | HADTU439S | 暫定2台 | 電源系と空調系の2通信経路を想定します。既設機器に対応インターフェースがあり、プロトコルを解析できる場合のみ使用します。 |
| UPS状態インターフェース | 2系統 | 既設UPS2台に各1系統。取得できる状態と警報を読み、接続、レジスタ、ネットワークカードをメーカー資料で確認します。 | |
| 精密空調状態インターフェース | 2系統 | 既設空調機2台の運転・故障を読みます。メーカー接続仕様と権限を確認します。 | |
| ラックPDU状態インターフェース | 6系統、条件付き | 既設PDUが状態や電気量を公開する場合のみラックごとに1系統接続します。通常のPDUが監視可能とはみなしません。 | |
| 既設消防システムの状態インターフェース | 1系統、条件付き | 元のシステムが合法的に利用できる読取専用信号を提供する場合のみイベントを表示します。火災警報と対応は元のシステムが担います。 | |
| 1チャネル無電圧接点入力モジュール | HA DI01 | 追加1個、条件付き | 消防システムの無電圧接点出力が確認できた場合のみ使用し、基本構成の11個には含めません。 |
電源・ネットワーク・施工部材
| 製品名 | 型番 | 数量 | 用途・選定理由 |
|---|---|---|---|
| DC電源 | 区域ごとに算定 | センサーとモジュールの電圧、消費電力、線長、余裕から選定します。 | |
| スイッチ・ネットワークポート | 現地で算定 | 分離と信頼性を満たす既設ネットワークを優先し、機器・ポート表に従って不足分を追加します。 | |
| コントローラー・通信機器の予備電源 | 1系統、負荷で算定 | 監視ホストと重要通信機器へ短時間給電します。既設UPS容量と配線計画に合わせます。 | |
| 制御盤、端子、配線、ラベル | 1式 | 配線経路、点位、電源条件に基づいて構成し、保守と引渡しに備えます。 |
製品名と型番はHAIOTS資料を参照し、数量は本例の概算です。既設サーバー、UPS、精密空調、PDU、消防システム本体は含まず、内部価格も表示しません。
現地条件の変更に合わせて一覧を調整
- ラック数が変わる場合:各ラックの吸気プローブ2本と扉センサー1個を再計算し、利用可能チャネル数と配線で温度モジュールを編成します。
- UPS、空調、PDUに公開データ接続がない場合:可能ならメーカーの警報出力や管理画面を利用します。確認可能な状態だけを接続し、取得できない詳細項目を記載しません。
- 配線距離や階の区分が増える場合:総点位数だけでなく、現場構成に基づいてシリアル変換器、電源、ネットワークポートを追加します。
- 制御連動が必要な場合:制御権限、機器保護、故障後の状態を別途評価します。基本構成は監視と警報のみです。
07 · 追跡可能な監視設定を引き渡す
点位対応から当直処置まで、引渡し資料は巡回、保守、拡張に役立ちます。
- 点位・通信一覧ラック、空調、UPS、配電、漏水、扉の番号、位置、接続仕様
- 監視画面・傾向部屋全体、区域詳細、データ更新時刻、履歴曲線
- 警報・当直ルールしきい値、継続時間、重大度、受信者、上位通知、消音条件
- 記録・権限確認、処置、復旧、完了、役割ごとの閲覧範囲
- 接続試験記録プロトコル、レジスタ、イベント対応、異常値、通信断の扱い
- バックアップ・運用資料設定バックアップ、復旧手順、巡回表、拡張ルール
08 · 現場イベントで項目ごとに検収
各試験で実際の点位、画面表示、通知先、最終記録を照合します。
吸気温度・傾向
12本のプローブとラック6台の位置を照合します。1点の温度超過を模擬し、傾向、継続時間、復旧履歴を確認します。
漏水・扉の開放
漏水4点と扉7点を個別に作動させ、場所、通知、確認、イベント完了を検証します。
UPS・空調・配電
取得状態をメーカー画面と照合し、実際の電源を妨げずに通信断の個別警報を確認します。
当直・復旧
未確認警報の上位通知、ホスト再起動、ネットワーク断、データ復旧、設定バックアップを試験し、履歴の完全性を確認します。
技術参考:ASHRAE データセンター施設の章機器の吸気条件に沿った環境監視を重視し、Schneider Electric の環境監視資料温湿度や漏水などのリスクを挙げています。実際のしきい値と接続仕様は対象機器と現地設計資料で決めます。
方案の性質:標準設計モデル。同様のご要望は、専門のソリューションエンジニアへお問い合わせください。お客様専用の方案をご提案します。